深海魚Lover
雨音が優しく響く、朝のひと時----

京次さんに淹れてもらった珈琲はお味が濃いめでとってもおいしくて、私好み。

「絵本の方、まだ少しあるの?」

「はい、画と文章がうまくまとまらない
 ような気がしてきて、本当ダメですね
 どうしてもまだ慣れなくて」

「そうか

 じゃあ、今晩一緒に考えるのは
 どうだ?」

「えっ、いいんですか!」

「ああ、決まり

 それよりもスガちゃん

 もしも自宅かアトリエで仕事の
 作業をする方が効率が良いようなら
 俺達に気を使う事は無いぞ」

「いえ、ここに居ても十分に
 絵を描くことはできています
 
 あの表紙の絵だってあんなにも
 素敵なものが描けたのは
 ケイジさんとジュン君、二人と
 過ごす日常が私にとってとても
 実りのあるものだから」

そう、閉鎖された嘗ての一人きりの空間では、きっとあの絵は描くことはできなかっただろう。

前作の絵本の絵も…
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