深海魚Lover
「……
 
 謝られた相手がどう思うかは
 別ですが、自分の気持ちは
 落ち着く……まあ、私のように
 何でもすぐに謝ってしまっては
 ダメなんですけどね」

「自戒の念……」

「ケイジさん?」

「サンキュー、少し(気が)晴れたよ」

「晴れたって、まだ雨ですよ」

鉛色の空から雨は降り続いている。

「ああ、だな

 スガちゃん
 ところで時間いいのか?」

「あっ、そろそろ……」

そうは言ったものの行動に移さない私。

「どうかしたか?」

「あのぅ、できれば、私のこと
 芽衣子で統一して頂けると
 うれしいのですが……」

「ああ

 そうだな、考えておくよ」

少し驚いた風の京次さんを残して私は慌ててその場を去り、寝室へ向かうと閉めた襖の前に立つ。

「言えた

 言っちゃった」

京次さんは私のこと、名前で呼んでくれるかなぁ~
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