深海魚Lover
ドキドキしながら準備を済ませ部屋を出る私が京次さんに声をかけようとしたその時、居間からひょっこり顔を出して貴方は言った。

「行くのか?」

「あっ、はいっ!」

「そうか」

わざわざ玄関先まで見送りに来てくれた京次さんは、靴を履き終えた私のことをじーっと見つめていると思ったら、私の洋服、ブラウスの衿についた飾り・しずく型のビジューに指先で触れた。

「本物?」

京次さんは宝石、ネックレスをつけているものと勘違いしたようだった。

「ああ、これは飾りです
 こういうデザインなんです
 変ですか?」

「いやっ、いいよ
 似合ってる」

「そうですか、買ってよかったです
 ふふっ」

微笑む私の頭に触れたその手は、いつものように優しく撫でてくれた。

とってもいい気分になるの。

「芽衣子
 気をつけて行って来いよ」

「はい、ケイジさん
 行ってきます」
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