深海魚Lover
出版社のあの窓から見た空と同じく、青灰色の空に薄らと指す光

雨上がりの白い空----


あなたは見つめた、白色のキーホルダー。

何色にも染まる白

何色にも染まらない白

ねえ、あなたは染まる、染まらない?


ここは、出雲の家----

着替えを済ませ、出掛けようと鍵を手にした出雲に聞こえる音がある。

ガガガガガッ!

ガガガガガー、ガリガリガリ

ガガガガガッ!

「うるせえな、まったく!

 急に何だ」

うるさい環境の中、フーと強い息を吐いた出雲は窓の外を見つめる。

晴れてきた空の下、近くの道路を何やら機械を使って削っている工事の様子が見えた。

道路工事の音は一向に止むことは無さそうだ。

そんな中、路駐させた車から降りて来る男達の姿が目に入る出雲。

彼等はぞろぞろと出雲の住むマンションの建物内へと入って来る。

車の傍で待つ一人の男がこちら側を見た。

その視線から逃れるように窓から遠のいた出雲は、横の壁にもたれたままで考えている。
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