深海魚Lover
「それはどういうことだ?」

「峰と話す父の声聞こえたの

 貴方を探してるのは私の父や
 峰達だけじゃない
 
 今頃、加瀬組の皆が総出で
 貴方のことを探してる
 
 探している理由は、ひとつ

 今度会う時は貴方組長さんかもね」

「そういうことかよ
 よーくわかったぜ

 まさかとは思っていたが……」

昨夜の集まり----

本人のいないところで勝手に、出雲が組長になるという流れが出来あがっている様子に出雲は厭きれ右側の口角だけを悪戯に上げてみせた。

それはもう逃れられない事実。

「ここでいい、ここで降ろしてくれ」

「まだ約束の場所じゃないわよ」

「いいから降ろせ」

道路脇に停められた車から降りる出雲は、ドアを閉めようとしたかと思えばもう一度開き中を覗き込んで安寿に向かって言う。

「アンジュ、これだけは言っておく

 俺のためだとかで女のくせに
 これ以上男社会に首突っ込むのは
 やめにしておけ

 何かあってからじゃ遅い」
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