深海魚Lover
「何、くだらねえ話
 おまえにしてるんだろうな

 まあ、しばらく一人になって
 どうするか考えてみるわ」

「そんな時間、もう無いんじゃ……」

「ツル、よく聞けよ!

 今すぐキョンに車を返したら
 あそこにはしばらくの間近づくな

 関係のないキョンにジュン
 メイを絶対に巻き込んじゃいけねえ

 それから、もちろんのことだが
 キョンに俺のことを聞かれても
 何も話すんじゃねえぞ

 感じ取られねえようにうまくやれ
 
 くれぐれも用心しろ、わかったな」

「はい、任せてください」

「また連絡する」

切れる通話、充が携帯電話をポケットに仕舞おうとしたその時、次なる着信音が鳴る。

「もしもし……?」

『事務所に今すぐ顔を出せ』と垣村に呼び出された充は、京次に車を返せないまま急ぎ加瀬組本部事務所まで向かう。

用心の為、車を事務所から少し離れたコインパーキングに停めた充は歩いて向かう。

辿り着いた本部事務所には、昨夜同様に厳つく貫禄のある男達が集結している。

締め切った室内にはタバコの煙がもくもくと充満して視界を曇らせる。
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