深海魚Lover
昔ながらの台所(キッチン)は、二人並んで立つには手狭。

私は後方から京次さんが調理する様子を見つめている。

包丁を使い、トントントンと手際よく玉ねぎをスライスしてゆく京次さん。

鍋に目分量の水・調味料が加えられ、ひと煮立ちした後に玉ねぎと牛肉が鍋の中へ。

そしてそして、待つこそ数分----

「はい

 ジュンジ大好物
 牛丼のできあがり」

仕上げには、紅ショウガがたっぷりと飾られる。

「わ~、とってもおいしそう

 でもケイジさん、ジュン君いないのに
 二人だけで食べちゃって平気ですか?」

「気になるなら、夕飯に取っとくか?」

「それは、ちょっと!

 ジュン君には
 私が今晩作ってあげます」

食い意地が張っていると思われても、この牛丼だけは手放せない。

「では、頂くとしますか?」

「はい、いただきます」

「いただきます」

お腹が空いて堪らない私は牛丼を大口を開けて食べる。

「熱ッ、ツツツ!」

できたてほやほやの牛丼はとっても熱くて、私はコップの水を勢いよく飲んだ。
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