深海魚Lover
「そうっすね
 ここなら人の動きを把握できる

 アニキに近づく人間はなしと」

出入り口など隈なくチェックする充に問いかける出雲。

「それで、親父は悪いのか?」

「はい、聞いた話では親分は
 今朝から昏睡状態のようで
 主治医の先生がもしかしたら
 もしかすると……」

「死ぬのか?」

「それは何とも!

 ただ、見計らって一度親父に
 会いに行かれた方が宜しいかと」

「別に構わない

 わざわざ出向いて行くことねえよ
 
 死ぬ時は死ぬだろう」

「アニキ……」

薄情な言葉とは裏腹、遠くを見つめる出雲の目の奥は笑わない。

「ツル

 他にも話があるんだろう?」

「はい、その……」

その時だったホテルの扉が開き、二人は一斉に出入口を見た。

するとそこには、20代ぐらいの三人の男がいた。

「アニキ、ヤバいんじゃ……」

彼等の様子を見続けていると、フロントで一人の男が話し出した。

「なんやここ
 えらい狭いとこやな、なあ?」

「はい、そうですね」

「あの、こちらでいいんですか?」
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