深海魚Lover
「えっ!おっお客様……」
仲間を装ってもらっていた相手にお札を握らせてその場を去る男は、黒須の子分だった。
外で待つ黒須に、出雲がこのホテルの4階に宿泊していることを知らせた。
「間違いないな」
「はい」
携帯を手に電話をかける、黒須。
「親分、ワシです
……はい、ではその様に」
日は暮れてゆき、一日が終わる----
寝つけない出雲はベッドに横たわったまま、窓の外に見える空をしばらく眺めていた。
少しずつ空が白み始める頃、出雲は過去に見た空を思い出す。
あれは、無理やり連れて行かれた井原家から絢と二人で脱走したあの日----
放れないようにギュッと強く繋いだ手。
真夜中に絶対に放しちゃいけない!と、その幼い手に神経をとがらせた。
「ねえ、イズモ見てあそこ
空が明るくなってきた」
「ああ、そうだな」
「……」
手を繋いだまま黙って歩き続ける二人は、たくさん歩いて疲労困ぱい。
東の空は少しずつ明けてゆく。
そんな中、絢が大きな欠伸を一つこぼした。
「じゅん、眠いのか?」
「うん、イズモは?
イズモは眠くない?」
「ああ、オレならだいじょうぶ」
歩む足を止めた、絢。
仲間を装ってもらっていた相手にお札を握らせてその場を去る男は、黒須の子分だった。
外で待つ黒須に、出雲がこのホテルの4階に宿泊していることを知らせた。
「間違いないな」
「はい」
携帯を手に電話をかける、黒須。
「親分、ワシです
……はい、ではその様に」
日は暮れてゆき、一日が終わる----
寝つけない出雲はベッドに横たわったまま、窓の外に見える空をしばらく眺めていた。
少しずつ空が白み始める頃、出雲は過去に見た空を思い出す。
あれは、無理やり連れて行かれた井原家から絢と二人で脱走したあの日----
放れないようにギュッと強く繋いだ手。
真夜中に絶対に放しちゃいけない!と、その幼い手に神経をとがらせた。
「ねえ、イズモ見てあそこ
空が明るくなってきた」
「ああ、そうだな」
「……」
手を繋いだまま黙って歩き続ける二人は、たくさん歩いて疲労困ぱい。
東の空は少しずつ明けてゆく。
そんな中、絢が大きな欠伸を一つこぼした。
「じゅん、眠いのか?」
「うん、イズモは?
イズモは眠くない?」
「ああ、オレならだいじょうぶ」
歩む足を止めた、絢。