深海魚Lover
「この後、二人でお出掛けなんでしょう?
 
 メイコちゃん一人で片付けてたら
 出掛けるの遅くなっちゃうわよ

 さあ、早く行ってあげて」

「はい

 では皆さん、お気をつけて」

家の中へと戻りかけた京次を呼び止める雛田。

「あっ、そうだ!

 先生ちょっと!」

玄関の引き戸の傍に立ち、雛田は京次にこっそりと話す。

「すっかり忘れていたんだけど
 この間、メイコちゃん
 誰かに後をつけられてたみたいよ

 井原組のことをよく思っていない
 連中かしら

 よくは分からないけど物騒ねぇ」

話を聞いた京次の顔色が昔のように険しくなるを見た雛田は、京次の腕にそっと触れた。

その感触にハッと我に返る京次。

「仮にもしそうだとしても、今はもう
 どこにも井原組は存在しないもの
 
 それが分かれば何もしないでしょう

 念のため、気をつけてあげてね」

「はい、雛田さん

 ありがとうございます」

「はいはい

 じゃあ、そう言うことでさようなら」
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