深海魚Lover
目を覚まさせるため、充の頬を思いっきり打つ黒須。

打たれようが焼かれようが煮られようが充の胸に宿る想い。

それは、絶対に出雲を守るという想い!

「だけど、アンタにはアニキ
 カシラの居場所は教えないよ!」

充の胸ぐらを掴んだ横田は至近距離で言う。

「なあ坊主

 クダクダ言い合うのはこの辺りで
 寄そうじゃないか

 お前にこの俺を遣る度胸があるのか?
 
 だったら、今すぐここで好きにしろよ
 
 俺は手出ししねえよ」

「親父……」

「親分、何を言われます!」

「うるせえよ、黙ってろ
 
 俺は坊主に聞いてるんだ

 わかったならお前らは
 動くんじゃねえぞ

 あるのかないのか

 どっちだ?」

威圧感

近づくほどに強くなる香り

きつい香水の噎せ返る香りに充は正気ではいられない----

誰かが遣らねば……

恰好の餌食

ならば、この私が。

「使うかぁ?」

「親……」

組長に声をかけようとした黒須の肩を押さえ首を左右に振るのは、組長の兄弟分の男。

充へと差し出された拳銃。

その銃に触れようとしたその時、ドアを蹴破る音が聞こえた。
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