深海魚Lover
「そうだな、今すぐ若頭を出せば
 返してやらねえわけでもない」

「馬鹿なこと言わないで下さいよ
 
 仕方がないですね
 そちらがその気ならばこちらも」

「まあ、待てよ

 こっちは務所上がりだ
 無駄な血は流したくねえ」

「これが流さずにいられますか?」

「それはお前さんのさじ加減ひとつ

 まあいい、とりあえず息が上がってる
 みたいだが落ち着けよ

 落ち着いて、そうだなぁ
 まずは俺の面を見た感想でも話せよ

 どうだ、似てるんだろう?

 どの辺が似てる?」

充と顔を見合わせる垣村。

「知っているのか?

 知っていてお前はカシラを
 自分の子を狙うのか……」

黒須はその言葉にハッとする。

血を分けた我が子を狙う美しい獣は返答することもなく一瞬だけ口元を緩めてみせた。

そして、サングラスをかけると仲間の肩を叩き告げる。

「帰るぞ!」

「えっ、親分!?」

「親父、マジですか!?」

「ああ、坊主は帰してやれ」

「しかしっ!」

「随分と可愛がってる様子じゃねえか

 ソイツの今の姿を見りゃ、こっちが
 黙っていても奴から会いに来るだろうよ

 行くぞ!」
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