深海魚Lover
「興味ありませんか?

 誰が湯河組を継ぎ、そのことを
 井原自身も知っていた

 湯河組の復活を彼は心から願っていた

 君が後を継ぐことを彼は……」

「そんなことはどうとでも言える
 
 死人に口なし」


生前、親父はそんなことを一言も話していなかった。

極道社会こそが闇、裏などどこにもあるはずもない。


「そうですね

 嘘かもしれないし

 It may be true. (それは本当かもしれない)」


よく見ると男は他国の人の様で……


「また、近いうちにお伺いしますよ
 
 それでは」


走り去る車を見つめる京次

思い出される過去の情景

布団に入り目を瞑る幼い京次に聞こえた、母親の悲しい声----


『ねえ、モトさん

 あなたは私と組のどっちが大事なの?』

『すまねえな

 俺はやめられねえわ

 病気だな、ははっ』

『もういいわ、もういい』


愛するものよりも、大切なもの----
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