深海魚Lover
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出雲さんに見守られ安心して眠りについた潤司君の傍で、私はぼーっとしてる。

無駄に流れて行く時間----


『……言ったこと後悔はしません!

 私はもう彼の傍を離れられないし
 何があっても離れるつもりもない

 ここで生きていくって決めたんです!』


「ここで生きていくって決めたのに
 
 ……

 ダメみたい」


私は、家の中を隅々まで見つめるの。

知らなかった場所が、知っている場所になる。

今では全てを知り尽くしている。



ここに居てはいけない。

でも、どこに行けばいいの?


あそこに戻るの?


あの、深い、深い


……深海に


わたし戻れるの?


『幼いジュンから父親を奪う事になる』


大丈夫、戻れる。



息ができなくて

苦しくても

わたしはそこに居なきゃいけないね!


空っぽの心で

死んだように

ただただ、海底を一人彷徨うの。


海に帰る決心のついた魚は、時計を見つめ愛しい人の帰りを待つの。
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