深海魚Lover
一刻一刻と過ぎゆく時間

----けれど、貴方は未だ戻らず。


ここは、首都圏にある有名ホテルの宴会場・『おうぎの間』

各種宴会はもちろん、会議にパーティーと大々的に執り行うことのできる場所。


会場内、ホテルスタッフの案内を聞いているのは京次と、京次の書道の生徒である華子とその父。


「お父さん、もうこちらに致しましょう」

「ああ、そうだな

 先生、君はどう思う?」

「はい、ここなら大々的にパフォーマンスを
 行えるかと思われます」


華子の父の会社で新年会に行われる予定の書道パフォーマンス。

出演自体は断ったものの、事がうまく成されるようにと色々と相談に乗ることにした京次。

急の会場延期に伴い、こうして呼び出されたわけで……


「京茨先生
 本日は忙しい中、父の突然の呼び出しにも
 関わらす付き合ってくださり、どうも
 ありがとうございました」

「いえっ、私は何も……」

「それにしても、お父さんったら
 書道の催しのこと、先のホテルに
 確認し忘れていただなんて
 とてもしんじられないわ」

「借りた後はこちらの好きに使って
 いいはずでは、今までもそうだったように」
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