深海魚Lover
「そんな悠長なことを言ってるから
ことごとく断られて……
こんな大事なこと、会社のわかる人間に
任せればいいのに何でも口を挟みたがるから
こうして社長自ら出向いていちいち説明をして
回る羽目になるのよ、恥ずかしい」
「何、我が社にとって大事なことだからこそ
この私が決めたいんじゃないか」
「本当詰めが甘いのよ、お父さんはっ!
迷惑な話」
呆れた表情を見せる華子に父親は口ごもり申し訳ない顔をした。
「ハナコさん、仕方ありませんよ
幾ら汚さないように配慮するとは言っても
ホテル側からすれば避けたい事案
無事に会場が見つかってよかったですね」
「ああ本当に
話の分かる君に同席してもらって良かったよ
長い間付き合わせてしまったね
どうだね、これから遅い昼食でも……」
「すみません、今日はこれで
……待たせてますので」
腕時計を見た、京次。
時刻は15時前----
「ああ、そうだね、急の仕事
お子さん、お待ちかねだね
ここはいいから早く帰ってあげて
今日は本当に助かったよ
ありがとう」
「それでは失礼します」
「何かあったらまた宜しく頼むよ」
「はい、いつでもご連絡ください
では……」
急ぎ足で帰る京次の後姿を見つめる二人。