深海魚Lover

「(子供に)かわいそうなことをしたかな」

「大丈夫よ、今日は保育園のはず」

「じゃあ、誰を
 ああ、生徒さんだな」

「そうね

 ……

 (生徒)だったらどんなにいいか」


嫉妬心にため息をつく華子----

ちょうどその頃、華子と同じように深く息を吐く蓉子の姿があった。


白い壁----

白い家具で統一された清潔感のある部屋。

白いテーブル、食卓に男女が向き合って座る。

静まり返る室内に響く、椅子を引く音。


「お茶も出さずにごめんなさい」

「いやっ……」


ソファーに腰かけた大きな背中は、前屈みになり両手でこめかみを押さえる。

父親の耳を塞ぐかの姿勢に、お茶を淹れたカップを持ち現れた蓉子は話す。


「聞きたくなかったわよね?
 私も話すつもりはなかった
 お母さんのことを思うととても
 ……
 
 だけど……」

「気が変わったのは出雲のぼんのせいか?」


父の言葉に驚く蓉子だったが真剣な面持ちとなり話を続ける。


「そう、知ってるなら話は早いわ 
 私、彼のことを愛しているの
 だから、貴方に彼を遣られる訳にはいかない

 イズモさんの件から身を引いてくれるわよね
 お父さん?」
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