深海魚Lover
「頼むよ

 それからもうひとつ、アイツ
 父に伝えてくれ

 彼が息絶えるまで彼には指一本
 触れさせない

 俺が守る」

例え実の父を嵌めた相手でも、俺達のその後の人生に彼は不可欠な人で大切な人に変わりはない。

モトさん……彼を憎む気持ちなど、俺達には湧いてこない。

憎むという感情よりも、大好きだと思う感情の方が大きい。

どうすればいい……

考え事をしながら家路へと向かう、出雲。

「イズモ、イズモ

 イズモってば!」

「えっ!おっ、じゅん?」

「さっきからずっと呼んでるのにぃ」

「悪りぃ」

「いったい何考えながら歩いてるの?

 そんな難しい顔して考えたって
 無駄だよ

 イズモ、貴方バカなんだから」

出雲の腕に纏わりつくのは制服を着た妹、絢。

「うるさい

 おまえは少し黙ってろ!」

絢の手が出雲から放れた。
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