深海魚Lover
「何それ、そんなこと言っていいの?

 もう、イズモなんて知らない

 イズモのバカッ

 アンタなんて大嫌い!」

怒って先を歩く絢の腕に触れる、出雲の手。

「待てよ、じゅん

 俺が悪かった、じゅん?」

その場に立ち止まって振り返った絢は見上げる。

そして、見つめる……

「許してほしいならわかるでしょう?」

「ああ」

瞼を閉じると、出雲の唇が……触れた。


二人、肩を並べ歩幅を合わせて歩く道。

幼い頃、たった一度だけ逃げ出した道。

この道を手を繋ぎ戻ったあの日から、今までずっと俺達はこの道を歩いて来た。

家路へと続く、この長い通りを。


「じゅん
 今度こそ、家を出ようか?」

「どうして、今更?
 
 だってイズモ、貴方はモトさんや
 ケイ兄と一緒に井原組を……」

「俺は、親父の組を継ぐ」
 
「イズモは本当にそれでいいの?」
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