深海魚Lover
自分の思い通りにならなければ、どんな些細な事にでも腹を立てすぐに手を上げる男。

それは俺達家族だけに限ったことではなく、組員全員が奴のターゲット。

アイツを恐れるあまり、誰も反発はしない。

全てが男の言いなり。

お山の大将は、自分の思うがままに自由にこの地で生きられる。


テーブルに置かれた三人前はあるだろう、寿司。

しかも、全て俺の苦手なサバ寿司。

パチンッ、打たれたのは箸を持つ手。

「イズモ、何度言えばわかる
 箸がなってないぞ
 
 さあ、残さず食えよ」

「こんなに食べれないよ

 母さんとじゅんに」

「馬鹿言え、こんなうまいもの
 女になど食わせてやらんでいい

 さあ、食えっ!
 食って大きくなれ、強くなれ

 ほらっ、食わせてやる」

サバ寿司を食べると、決まって俺は喉元がムズムズと痒くなる。

「口を開けないか?」

「もう、ムリだよ

 ムズムズする」

掻いてしまった首元は真っ赤になる。
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