深海魚Lover
俺のことを大事だとほざくくせに、俺の言葉は何一つ聞いてくれない。

俺の体中、いたる場所に折檻の痕・痣があるのは何故だ?

大切なのは跡を継ぐ人材だから、ただそれだけ。


俺の中に流れる血

その全部を抜いてしまいたい衝動に駆られる。


辿り着いた家----

「ただいまぁ、モトさん?」

俺達はしばしの間、あの男から逃げることを許された。

古びた考えを持つ頭デッカチで暴力的なあの男から逃げられて、平和な日々を過ごす。

この家に住み暮らせて、俺達はやっと心から落ち着ける場所をみつけた。

それが例え、仇の家だったとしても。

「なんだ、二人とも一緒だったのか?
 おかえり」

二人を出迎えたのは、この家の主である井原基次。

病気を患い、昔の意気盛んな姿は今や影を潜めている。

「モトさん

 今日は調子がいいの
 顔色がいいわ」

「ああ、ものすごくいい気分だ」
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