深海魚Lover
「オヤジ、そんなこと言って
 動き回って夜にしんどくなっても
 俺達はしらないぜ」

「なあに
 夜は寝てればいいだけのことさ」

「ケイ兄、帰ってたの?」

キリッとした鋭い目を眼鏡で隠し、上質なブラックスーツ姿で現れた京次は硬派なヤクザとも言える。

「ああ

 ところで出雲
 あの後、どうなった?

 話はついたのか」

「あっ、ああ、大したことねえよ
 いつもの喧嘩

 でっ、守り代は
 マツヨばーちゃんの
 手作りあんころもち」

鞄から取り出した、タッパー容器。

「わーい見せて
 あ~、きな粉たっぷりかかってる」

「うまそうだな、ひとつもらおうか

 ジュン、帰って来たばかりで
 済まないがお茶をくれないか」

「うん、今すぐ淹れるね

 みんなで食べよう」

居間へと入って行く二人の後姿を見つめる、京次に出雲。

「モトさん、ほんとに大丈夫か?
 具合悪くならなきゃいいけど……」
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