深海魚Lover
「あそこですか
 あそこはちょっと……」

あ~、私ってばこんな時に限って処理が不完全かも……。

「ハハッ、冗談だ

 行こう

 スガちゃん?」

その場に立ち止まったままの私。

「あの、私、嫌なわけじゃないんです!

 ハッキリ言って今のままの
 私じゃいけないって思ってます

 それに決して大事に持ってるって
 わけじゃなくて……」

気づけば操を守ってた……みたいな。

27歳にもなって何ともお恥ずかしい。

恥ずかしさに俯きかけた私の髪が吹く風と遊ぶ。

私は自分の髪に触れる。

「今のままのおまえでいいじゃん
 何にも悪くない

 それに、それを言うなら
 俺なんかで本当にいいのか
 
 子持ちのオジさんだぜ」

貴方は唇の右端だけを引き上げて微笑してみせた。

「オジさんだなんて
 
 ケイジさん、貴方はとっても素敵で……」

それは完璧な容姿だけのことではなくて、一緒に仕事をしてみてわかったこと。
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