深海魚Lover
それに季語だなんて、私はよく知らない。

そう、京次さんはいくつもの顔を持つ、知的な人。

「早く秋になればいいな

 秋深き隣は何をする人ぞ」

「?」

私達の隣の席の人をこっそりと指差してみせる、京次さん。

隣の人は、アフロヘアにパリッとスーツ姿。

忙しない筈の朝の時間を、本を片手に優雅にお茶の時間。

お一人で楽しんでるご様子。

「それはさて置き、9月の連休使って
 どこか行こうか?

 こぶつきで宜しければ、是非」

「はい、もちろんです!」

「どこ行きたいか考えておいて」

「はい!」

連休を使ってのお出かけってことは……

ドキドキドキドキ

それはきっと、とても素敵な旅になることでしょう。


私がオーダーした飲み物はもちろん、クリームソーダ。

赤色のソーダ-水を見た京次さんの目も、あの日の潤司君のようにまん丸と大きく見開いている。

「それ、何?」
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