深海魚Lover
「フッ、今度、時間がある時にな」

「はい、楽しみにしています」

その場を立ち去る、二人。

「アニキ、相変わらずモテますねぇ

 それにしても綺麗だ

 あんな子、店に居ましたっけ?」

「さあな」

停めてあった京次の車に、二人は乗り込んだ。

「フー、疲れたぜ」

そう言って、助手席に深く腰掛けて目を瞑るのは、出雲。

運転席の充は出雲に問いかける。

「アニキ

 ひとつ聞いていいですか?」

「駄目だ」

「……

 組、継ぎたくないんすか?」

「おまえには関係ねえよ

 黙ってろ」

深い出雲のその声にたじろぎ、冷や汗を掻きながら黙って運転している充に聞こえた優しい声。

「ツル、心配するなよ

 気楽に行こうぜ

 ……でっ、俺にも土産あんの?」

「はい、もちろんです」

後部座席に置かれた紙袋に手を伸ばし取った出雲は、袋の中を物色しながら一言。

「どれもこれもガキの好きなのばっか」
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