深海魚Lover
そう、だってここは出雲さんの家でもあるもの。

微笑んでみせる私に出雲さんは戸惑ってる様子で、潤司君を抱き上げたまま何かを考え一歩も動くことはない。

「イズモさん、どうかしましたか?

 さあ、中に……イズモさん?」

「いやっ、髪切ったのか?」

急に出雲さんにそう問われて、今度は私が驚き戸惑う番。

「いえっ、これは

 下ろしてるだけです」

「そうか、(俺は何聞いてるんだ?)

 ……ところでキョンは?」

「ケイジさんなら今は……」


微笑みかける君の顔がその後も何度と脳裏に浮かぶ。

『イズモさん、お帰りなさい』

君の声が、俺をこんなにも幸せな気持ちにさせてくれる。

いろんな想い、不安な気持ちなど消し去ってしまうほどに。


おかえり……その言葉は魔法の言葉。

過去も今も、ここは俺の居場所。

俺は守りたい!

『イズモ、おかえり』

守れなかった、その分も……
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