Special Magic !
す、すごい!
あー。でも気持ち悪い。
男の人が今使ったのは魔法。
転移、という空間を歪まして
一瞬で移動する魔法なのだが、
確かこれは最近取り締まりが厳しくなっていて
使える場所、目的が正当じゃないとか警備団が来るため使う人がめっきり減った魔法だ。
魔女の森はまだ使えるけどね、
桃源郷はいいんだっけ?
なんかさ、転移をしまくってたら
空間の歪みがすごくなって
これは必要最低限しか使わないようにしよう、みたいな。
だから転移はしないで、風になったり
鳥になったりして
通常より速く移動する人が増えてるらしい。
この男の人は、
大丈夫なのだろうか。
「……それでね、って話聞いてた?」
「えっ?あ、ああ……はい」
ぐー、きゅるるるる。
「あっ。お腹すいてるんだよね、話の続きはご飯の後にしよう」
「(話聞いてなかった)」
いろいろと考えている内に
男の人も何かと話していたらしい。
だめだめ、きちんと聞かなきゃ。
「おーい!マスター!天空海老と地獄産牛にマンドラゴラの芽とドラゴンライス、あと適当に作って!全部大盛りね!」
「あいよーっ!!」
男の人が空いている席に向かいながら
一気に注文すると、
しゃがれた元気な声が帰ってきた。
あっ、やっと座れる。
少ししか立ってないけど
結構しんどかったんだよね。
店は見渡す限り、広々としていて
1階しかない様子。
カウンターが出入口からまっすぐ向かっていった所にあって、
あとは丸い木のテーブルが何個も
並べられてある。
壁には酒樽がなん十個にも及んで並べられてあった。
また奥の奥にはビリヤードやダーツなどの娯楽場が広がっている。
ひっろいなあ!
「席はここだよ」
男の人が決めた席はカウンターのすぐ近くの席。
私はリュックをどかっと置いて
自分自身も席に倒れこむように盛大に座った。