僕は君の名前を呼ぶ


──ガラッ


「…え?」



びっくりした。

本当にびっくりした。

教室のドアを開けると信じられない光景が広がっていたから。

目を何回かごしごしと擦ってみたけど、その光景が変わることはなかった。



そこには

あのときの天使がいた────。




「やっぱり、あの子だよな? 海斗からは話しか聞いてなかったけど、見てすぐわかったよ」


少し遅れて教室に到着した隆太にぽんと肩を叩かれ我にかえった。


これは、夢なのか?


目の前の光景が信じられなくて頬をつねりたくなったが、隆太に「女子かよ」とバカにされるのがオチだとわかっているからそれはやめた。


やばい、涙が出そうだ。

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