僕は君の名前を呼ぶ
「なあ、教室入んねぇの?」
「ああ、…」
隆太に促され教室に入るも、ここにいるのは、彼女と隆太と俺の3人だけ。
がらんとしている。
「おはよう」
俺は勇気を出して彼女に言った。
「おはよ…」
彼女は少し悲しげな笑みを浮かべ返してくれた。
これは、俺があれだけ見たかった笑顔じゃない…。
こっちが彼女にとっての本物の笑顔なのか?
あの笑顔は偽物なのか?
それとも……、あの笑顔をどこかに忘れてきてしまったのか?
色んな憶測が交錯する。