僕は君の名前を呼ぶ
「…き!…青木、起きてっ!」
どうやら俺は眠ってしまったみたいだ。
目を開けると目の前に俺の顔を覗きこむ橘。
「うおっ!た、橘か…」
色んな意味で心臓に悪い。
「わたし、もう帰るね」
「えっ、でも体調は?熱は下がったか?」
「だいぶ良くなったよ。ありがとう」
「ならよかった。家まで送るよ」
俺は立ち上がる。
変な姿勢で寝ていたせいで体の節々が痛い。
家まで送り、別れ際に橘は言った。
「本当に、ありがとう。青木が助けてくれなかったら今頃わたし…」