僕は君の名前を呼ぶ


「…き!…青木、起きてっ!」


どうやら俺は眠ってしまったみたいだ。
目を開けると目の前に俺の顔を覗きこむ橘。


「うおっ!た、橘か…」


色んな意味で心臓に悪い。


「わたし、もう帰るね」


「えっ、でも体調は?熱は下がったか?」


「だいぶ良くなったよ。ありがとう」


「ならよかった。家まで送るよ」


俺は立ち上がる。
変な姿勢で寝ていたせいで体の節々が痛い。


家まで送り、別れ際に橘は言った。


「本当に、ありがとう。青木が助けてくれなかったら今頃わたし…」


< 123 / 419 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop