僕は君の名前を呼ぶ


「俺こそ、頼ってくれてありがとう。何かあってもなくても、呼んでくれたらすぐに駆けつけるよ。…守りたいから」


俺がこんなこと言うのは、橘にだけだ。

特別で、大切だから。


「あは、スーパーマン?」


「お安いご用だ!」


橘だから言うんだからな?


橘を長く引きとめるのも悪いと思いそろそろ帰ろうとしたそのとき、


「…あら?彩花とお友達?」


背後から聞いたことのない声がした。


「お母さん…」


これが、橘の母親…。

ノリのきいたスーツを着てバリバリのキャリアウーマンを思わせる姿。


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