僕は君の名前を呼ぶ


「俺はお祭り男だから行ったことはあるんだけど、海斗は毎年誘っても拒否するんだよなー。なんで?」


“自称”お祭り男の隆太が体を乗り出して話に参加した。


「隆太のテンションについていけないから」


俺がそうキッパリ言うと隆太は「はー?なんだよそれ!ちょっとひどくないか!?」と再び俺の肩を揺さぶる勢いでオーバーにリアクションをとった。


「ごめんごめん、冗談だって。なんか祭りと俺って似合わなくない?」


こんなことを言ったが、実は人混みがあまり得意じゃないから進んで祭りに行こうと思えないのだ。


祭りに来たはずなのにたくさんの人を見に来たように感じる、目的と現実の相違感がどうも苦手で。


そのギャップに頭がついていけないのだ。





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