僕は君の名前を呼ぶ


「今までお疲れさま。あなたたちがきちんと働いてくれたからこっちも助かったわ。ありがとう」


そう言って先生は去って行った。




──図書室で橘と会えなくなったら、俺たちはどうなる?


教室では座席は隣だ。
でも、しばらくすればまた席替えがあるから橘と離れてしまうだろう。

習慣になっていた橘との下校も口実がなくなるからできなくなってしまう。

夏休みになれば会えなくなってしまう。

…接点が消えてしまうのか?──



そのまま最後の委員会は終わり、なんとなく重い空気を引きずりながら俺は橘と帰り道を歩いていた。


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