僕は君の名前を呼ぶ
その重い空気を俺が生み出しているのだと思うと、さらに気分が悪くなった。
「今日で、最後なんだね。こうやって一緒に下校できるの…」
「そう、だな。ゆっくり橘と話せなくなるて思うとちょっと寂しいな、俺」
「わたしも…」
“わたしも”って、橘も俺と同じように寂しいって思ってくれてるのか?
橘の一言で、俺は嬉しいんだか悲しいんだかよくわからない、中途半端な気持ちになった。
「あのさ、よかったら夏休みに会わない?」
気づいたらこんなことを口走っていた。
「えっ?」
「た、例えば、夏祭りとか…」
だめだ、もう、止められない…。