僕は君の名前を呼ぶ


隆太みたいな爽やかさのカケラもない。

隆太と桃子ちゃんも誘おうとか、渡辺とタクヤ先輩と一緒に行こうとか、言えたはずなのに。


ほら、橘が困った顔してるよ。

激しい後悔が襲いかかる。

下心が丸見えすぎて、自分の太ももをグーで殴ってやりたくなった。




「ふたりって、青木とわたしってことだよね?」


「うん。…でも、嫌だったら全然断ってくれて大丈夫だよ……」


「すごく行きたいんだけど、わたしなんかでいいの?」


橘からこう返されるとは思っていなくてびっくりして言葉が出ない俺は、無言のまま必死に頭を縦に振った。


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