僕は君の名前を呼ぶ
「彩花ちゃん、誘えよ」
た、橘を!?
「………」
「うわっ!真っ赤になってやんの!」
俺は恥ずかしくて、唇の噛むことしかできなかった。
「まあまあ、彩花ちゃん誘えって」
兄貴に花火セットを半ば強引に持たされ、背中をグイグイ押されて改札をくぐらされてしまったた。
…手ぶらで突撃訪問するよりかはいいか。
たった3駅分の距離なのに、もう電車に長く乗っているかのような感覚に陥った。
電車の中で何もできないのがもどかしく思った。
コンビニのビニール袋に入った花火がただ揺れるだけだ。