僕は君の名前を呼ぶ


「彩花ちゃん、誘えよ」


た、橘を!?


「………」


「うわっ!真っ赤になってやんの!」


俺は恥ずかしくて、唇の噛むことしかできなかった。


「まあまあ、彩花ちゃん誘えって」


兄貴に花火セットを半ば強引に持たされ、背中をグイグイ押されて改札をくぐらされてしまったた。


…手ぶらで突撃訪問するよりかはいいか。




たった3駅分の距離なのに、もう電車に長く乗っているかのような感覚に陥った。

電車の中で何もできないのがもどかしく思った。

コンビニのビニール袋に入った花火がただ揺れるだけだ。


< 169 / 419 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop