僕は君の名前を呼ぶ
駅に着くと一目散に駆け出した俺はやっとの思いで橘の家に着いた。
俺は乱れた息を整えながらポケットに手を滑らせケータイを出すと、電話をかけた。
6コール目に《もしもし》と橘の声。
《青木?どうかしたの》
「あのさ!今、橘の家の前に来てるんだけど出て来れるか?」
《えっ!?》
その反応を最後に、電話から橘の声は聞こえなくなってしまった。
かわりに聞こえてきたのは無機質な機械音。
橘の声はひどく驚いていた。
…これはやっちまったかもしれない。
彼氏でもないクラスメイトの分際でアポなしでいきなり押し掛けるなんてあり得ないよな。