僕は君の名前を呼ぶ
嫌われてしまったと確信して、ここを去ろうとしたそのとき────
「待たせてごめんね。何かあったりした?」
顔を上げると、玄関から出て来た橘がいた。
部屋着らしく、Tシャツにショートパンツというラフな格好。
…かわいい。
「ごめん、いきなり来ちゃって。“会いたい”って思ったらいても立ってもいられなくなって…」
ここまで言ってハッとする。
何言ってんだ、俺。
「あ…、えっと。そう!これ。花火!花火、やんない?」
必死に言葉をつむぎ、さっきの発言をもみ消そうとした。