僕は君の名前を呼ぶ


「いいの!?やりたい!でも…どうして花火?」


「夏の思い出作りにどうかなと思って。兄貴がくれたんだ」


「瑛斗さんが?」


兄貴も橘も、下の名前で呼び合いやがって…。
いつの間に仲良くなってくれてるんだ!


「あ…、でもまだ暗くないね」


地元から慌ててこっちまで来たのでまだ夕暮れ時。

これじゃ花火はあまり楽しめなさそうだ。


「じゃあ、ちょっと話しでもしながら時間潰さない?」


俺の提案に橘は「うん!」と言った。



「立ち話もなんだしウチにあがる?」


という展開も期待したが今は夏休み。
父親が家にいるのだろう。

橘からこの言葉が出ることはなかった。


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