僕は君の名前を呼ぶ
砂場に子供が残したシャベルのある誰もいないそこは、以前どしゃ降りの雨の中橘を助けに行った公園だった。
なんとも言えない雰囲気が漂う中、話を切り出そうとすると…──
「「あのっ」」
ベンチに腰をかける俺たちは、ふたり同時に口を開いてしまった。
ふたりの間に照れくさい空気が流れる。
そんな空気が俺の心をくすぐる。
「青木からどうぞっ」
「わりぃ。じゃあ、俺から。今度の祭りのことなんだけど…」
「プッ」
「た、橘ァ?」
緊張していたのに、橘が笑ったせいでそれが一気に崩れて、変な声が出てしまった。