僕は君の名前を呼ぶ
フィルムを元に戻して再び投影機のスイッチを入れた。
頼りないけど、そこには確かに輝く星があった。
名前なんて、付けないよ。
名前がなくても、そこにいるって、俺だけが知っていればいいから。
そこでちゃんと輝いているって、俺は知ってるから。
一瞬だけでも、俺の隣で俺のためだけに輝いていて欲しい。
やっと近づけたと思ったら、こんなにも簡単に遠ざかって、傷つけることしかできなかった。
「…っ、っつ……」
目の前でこんなにも輝いているのに触れられないのがつらくて、無性に泣けてきた。
ほんと、情けない。
ちゃんと握っておけばよかった。
もうこの手にあの温もりがやって来ることがないと思うと、胸が痛くなった。