僕は君の名前を呼ぶ


人生でこれ以上好きになる人はいないって本気で思えるくらいドキドキして、胸が痛くて痛くて、それが幸せだった。


そんな気持ちを消す方法、わたしは知らなかった。


でも、何度も消去しようとした気持ちを、青木が新しい気持ちを上書きしてくれたの。


だから、夏樹くんと会ったときに、わがままだけど、手を離すんじゃなくていっそのこと肩を抱き寄せて欲しかった。


手を離されて、わたしの想いは一方通行だって気づいてしまった。

青木を無視して遠ざけるのなんて、ただの現実逃避。


いつも隣にいてくれた青木を失うのがこんなにつらいなんて、失ってから今更気づくわたしはなんて愚かなんだろう。


行くあてのないこの気持ちは、どうすればいいの?


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