僕は君の名前を呼ぶ


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「よっ、久しぶり」


途中で都と寄り道してから家に帰ると、外壁に寄り掛かる夏樹くんがいた。


隣町の高校の制服を着ている。


この前会ったのは、こっちに帰ってきたからだったんだね。


背も高くなって、声もまた少し低くなって、髪型もおしゃれになって…大人な夏樹くんが目の前にいるのが、少し恥ずかしい。


「えと、お帰りなさい…?」


「うん、ただいま」


「何か…あった?」


「ごめん」


夏樹くんは頭と膝がくっつきそうなほど腰を曲げた。


「家電とか手紙とか、連絡する手段はあったのに彩花のことなおざりにして、本当にごめん!」


「な、夏樹くん、顔上げて?」


「向こうに行っても頭の中は彩花のことばっかで、時間が経つほど想いが大きくなって何度も彩花の家に電話かけようとした」


「うん…」


「でも、最後の一桁で彩花は俺のこと忘れてんじゃねーかって思って、気づいたら受話器置いてた」


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