僕は君の名前を呼ぶ
『海斗きゅんと両想い~! 照れる~!』と言いながら、バシン! と俺の肩でも叩くのかと思ったら、さりげなくノロケやがった。
チッ、俺の部屋に来ておいておノロケか…。
でも、夏樹が幸せそうでなによりだ。
夏樹はちょっと、いや、かなりうざったいヤツだけど、俺が言うのもアレだが結構仲良くやってるつもりだ。
照れくさいけど、大切な友人ってやつだ。
「うまくやってんだ。えっと…」
「ミキ。美しい希望と書いてミキ。ミキちゃんは俺の希望だあ~」
もう酒がまわったのか夏樹はこんなことを言う始末。
これは、お泊まりコースか…。
酒のせいもあると思うけど、ふにゃふにゃと優しそうに笑う夏樹を見て、さっきまでの寂しさが嘘かのようにこっちまで穏やかな気持ちになってしまった。