僕は君の名前を呼ぶ


期末テストが近いからか、図書室の利用者がいつもより少なく俺たちはすぐに帰ることができた。


帰ろうと準備をしながらふと窓に目を向けると外は雨が降っていた。

さっきまでは降ってなかったのに…。

橘と話したようにもうすぐ梅雨が明けるのか、強い雨だ。


「わりぃ、今日置き傘ないから橘のこと送ってやれない…」


「…濡れて帰るの?」


「傘がないからな。走れば大丈夫だよ」


コンビニに傘って売ってたっけ…?

そういや、今日は財布の中身が寂しかった気がする。

傘を買える金があるか心配だ。


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