後悔なんて、ひと欠片もない
冷たくなったカップスープを飲み干した。
和史さんのいなくなった部屋の中を見渡す。
以前は画材が置かれていた作業机には、
数種類の外国の酒瓶、灰皿、タバコ。
ハニーオレンジのマニキュア。
避妊具の空き箱。
そして、ボティケアのクリーム。
ついこないだまで、お手入れなんかT
字カミソリで無駄毛を処理するくらいだったのに。
和史さんの身体に負けないって自信を保つ為に、毎晩ボディクリームを全身に擦り込むのは、私の習慣になっていた。
「しおんのカラダは、すごい」
和史さんは、いつも私を褒めてくれた。
すべすべの肌は、男の動物的な本能を刺激するらしく、いつもエッチの前、私は和史さんに少し乱暴に抱き締められるのだ。
ドンドコドン、カッ、
ドンドコドン、カッ…
和太鼓の音がした。
私のスマホの着信音。
悠子からラインだった。
[おっはよ!彼は帰ったの?]
[オハヨ、帰ったよ]
[了解。なら10時で良いよね?
約束のもの持って行くね♪]
今日、出なければいけない授業はないから、学校には行かない。
私は、灰皿の吸い殻を片付けようとして立ち上がった。