あたしとあなた

「………んっ」

「これも秘密ね」

相変わらずカワイイ微笑みを浮かべて言う

「な、んで」

「いずれわかるよ」

「………」

「ほら、これ提出して帰ろう」

担任に渡された課題を五十嵐くんは
ヒラヒラさせてあたしにかばんを渡す

「あ、アリガト」

「どおいたまして」

五十嵐くんのすぐ後ろをついて歩くあたし

こうみると、五十嵐くん背が高いな~とか
後ろ姿もかっこいいな〜なんておもってたら
突然とまった五十嵐くんの背中にぶつかった

「…痛っ」 

「なにしてるの?職員室ついたよ?」

なんだか恥ずかしくなって下を向いた

「じゃあ提出してくるね。あ、ここで待ってて」

「あ、うん」

………あたし、五十嵐くんとキスしちゃった

思い返すとなんだか頬が熱い

なんでだろ、奏人とはこんなこと思わなかったのに

「熱でもあるの?顔赤いけど」

突然聞こえた声にびっくりして
体が跳ね上がった

「そんなにびっくりしないでよ。それより熱?」

「熱じゃないから!」

「そ?じゃあ帰ろうか」




< 10 / 11 >

この作品をシェア

pagetop