【完】切ないよ、仇野君



「お前等!練習だろうが何だろうが、試合じゃ試合!捻り潰してけちょんけちょん、コート制圧すっばい!」


「キャプテン、俺達悪者みたいで嫌っすわ」


練習試合開始、隣では肥後学と荒商が試合を始めており、こちらは菊地と当たることに。


円陣を組む一軍五人の背中を見つめ、行雲キャプテンの気合い入れと雫ちゃんのツッコミに私と由貴先輩は苦笑い。


「良かやっかヒールでん!独裁政治しようやっか!……ぶっ潰す!!」


「「「「イエッサァ!!」」」」


水高の、去年からの伝統の口の悪い円陣も、試合前の独特の雰囲気を楽しんでいるみたいで私は好きだ。


去年の夏からずっと熊本県の王者を守り続けるうちのバスケ部は、確かに挑戦者の他校からすると悪者なのかもしれない。


主役にならない皆が、私にとっては誇らしく頼もしく感じるんだ。
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