壊れるくらい抱きしめて
あの悲しい誕生日から一ヶ月。久しぶりに同期会のお誘いを受けた。


同期会をいつも計画してくれるのは望月優香さん。優香さんは林さんや松本さんと同い年で同じ営業事務の良きお姉さん。


可愛げのない私まで妹のように可愛がってくれて年齢の違う私や理美を同期会にいつも誘ってくれるとても優しい人。


肩までの髪の毛はいつも綺麗に巻いていて自分に合ったメイクをちゃんと分かってる。私服もスカートからパンツ、何でも履きこなせる憧れ。


「恵那ーどうしたの?仕事で失敗した?それともあいつらに何か言われた?」


優香さんにランチに行こうと言われ、近くの洋食屋で同期会に誘われた私はサービスランチのハンバーグを食べる手をピタリと止めてしまった。


同期会。あの日から林さんへの恋心は少しずつ薄れていった。まだ完全に消化したわけじゃない。だけど理美とも普通に接することができるし、林さんを見てもそんなに胸が痛まない。


その代わり、つい目で探してしまうようになった松本さんのことを。
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