ねぇ、どうしたいの?


宮塚くんが本当に最寄り駅まで送ってくれた次の日。


学校ではある噂が広まっていた。


「聞いた?宮塚くんが女子と歩いてたみたいよ。」
「聞いた!それウチの学校の生徒らしいよ。」
「何それ羨ましすぎ!」


そんな話が流れる廊下を、身を小さくしながら私は歩いた。


「すっかり学校中に広まっちゃったね、美桜(ミオ)」

左隣から私に投げ掛けてきたのは、長尾 杏華(ナガオ キョウカ)ちゃん。
私の大親友。


「女って本当、噂話好きだよな。」


右隣で呆れたように言うのは、妻原 直樹(ツマバラ ナオキ)くん。
私の幼馴染みです。


二人とも私の大切なお友達。

この二人になら何だって話せるんです。


「ただ駅まで送っていただいただけなのに……」


朝から学校はこの話で持ちきり。

もし宮塚くんと歩いていたのが私だってバレたら……
恐ろしくて想像したくない。


「さすが宮塚。影響力すごいわね。顔見られてなかっただけでも幸いだと思わなきゃね。」
「そうだよね……。安易に宮塚くんには近づかない方がいいって分かりました。」


よしよし、と杏華ちゃんが頭を撫でてくれる。

同い年だけれど私にとってはお姉ちゃんみたいな存在。

「そうそう、触らぬ神に祟りなしってな。美桜には俺らがいんだろ?」
「杏華ちゃん、直樹くん……二人とも優しすぎます。大好き」


こんな素敵な二人も、宮塚くんに次いで実はすごくモテモテで…
私なんかと一緒にいてくれるのが奇跡って感じです。
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